COBIT2019を活用してデジタルビジネストランスフォーメーションを達成する

Author: Oluwaseyi Ojo, Ph.D., CEng, COBIT 5 Certified Assessor, ITBMC
Date Published: 19 August 2019
English

今日の経済において、デジタルビジネストランスフォーメーションは、一つの選択肢ではなくビジネス上の必須事項である。多くの事業体は戦略的にトランスフォーメーションにならないデジタルプロジェクトと変更の取り組みを別々に推進することで、トランスフォーメーションとセキュリティに対する錯覚を抱いている。ビジネスリーダーは組織を確実なトランスフォーメーションに沿った工程で推進する前に、単なる変更とトランスフォーメーションの間の基本的な相違を理解しなければならない。

事業体の意思決定者の85%は、デジタルトランスフォーメーションを重要な進路とするか、もしくは競争相手の後塵を拝して財務面¹で苦しむことで2年の時間がかかると言われている。1

最高経営責任者(CEO)の56%は、デジタルトランスフォーメーションは売上と利益の増加¹に繋がったと言っている。2

デジタル化し変革する指令については議論の余地はないが、「我々が何を、どのように変革するのか?」とリーダーは頻繁に問いている。COBIT® 2019 フレームワークは、これらの質問に答えることができるうえに、リーダーが障壁を撤去するだけでなく、戦略的なデジタルビジネストランスフォーメーションを維持し支援することができる。

デジタルビジネストランスフォーメーションとは何か?

デジタルビジネストランスフォーメーションは、新しい技術の特定のセットを組織に使用させることではなく、むしろ、組織が技術を理解すること、および顧客、パートナー、ステークホルダー、従業員のための価値と新しい経験を提供する方法を理解することを含んでいる。デジタルビジネストランスフォーメーションは、迅速に対応し、新しい技術と手続きを成功裏に活用し、現在と将来にわたって反映するための組織的な能力のことである。

「蛇が脱皮するとき蛇は変化する。芋虫が蝶になるとき芋虫は変身(トランスフォーム)する。」3 簡単に言えば、変更は過去の状態、または現在の状態を改善することにフォーカスを当てているが、変革は先を見据えて将来を変更したり造り出したりする。たとえ、変更が良いとされても、それは過去の改良版にすぎない。実際には、組織が変更を行っただけという変革の幻想のなかで、そこには組織にとっての危険な欠点がいくつかある。ビジネスリーダー、ガバナンス主体(例えば、取締役会[BoD]等)、重役、経営陣が、変革と変更の間の差異を理解しなければ、実際のところ、過去を変化させているに過ぎないのに、自分達は変革を実施しているという幻想を長続きさせてしまうこととなる。デジタルビジネストランスフォーメーションは、デジタル技術をビジネスに活用し統合することである。―技術、文化、仕事の環境、その他に影響を与えることができるのが変革である。Uberは一例であるが、技術力を活用することで、タクシー産業をデジタル的にトランスフォームすることが可能となっている。他の例としては、ホテル業界のAirbnbがあり、コミュニケーション関連のSkypeとWhatsAppもその他の例である。

デジタルビジネストランスフォーメーションの誤解
デジタルビジネストランスフォーメーションについての誤解は数多くある。その例は下記を含む:

  • デジタルビジネストランスフォーメーションは、旧来のマインドセットと旧来のビジネスモードとの協調で達成することができる。―この誤解は一番困惑させられるものである。というのは、「変革」という言葉はビジネスプロセスやプロダクトが以前とまったく異なることを意味するもので、ビジネスモデルは資金や利益を産み出す方法についての組織の計画である。ビジネスマインドセットは戦略を理解し、戦略をビジネスの実践手法に導入することである。新しいマインドセットは(戦略的に)新しいことを実行して異なるものを産み出すことである。新しいマインドセットは自他のマーケットでの機会を探求し、それは開発されていく。実際には潜在的な破壊者として、その対応方法も認識されることとなる。新しいマインドセットは急速な変革を首尾よく適用できるオープンなマインドセットである。それは以前、組織が直面したことがないことを挑戦することである。今日のデジタル経済では、高い競争力をもちたいと考える組織は自分のビジネスモデルの中核に、デジタル的なものを含むことが必要である。すなわち、それはデジタルビジネスモデルと同様に、繁栄するための新しいビジネスマインドセットをもつことも必要である。例えば、伝統的なタクシー産業は、低価格で、高い標準を維持することに取り組んでいる。この産業のプレイヤーは、(旧来のマインドセットの)タクシー産業が高価格と低い標準(ビジネスモデル)を享受し続けることを信じている。しかし、新しいマインドセットと新しいビジネスモデルをもつと、Uberがやっていることを誰も気づかなかった。Uberのビジネスモデル(新しいビジネスモデル)は、車にアクセスして金を稼ぐことを希望する運転者とそのプラットフォームを利用する乗客との間の協働関係を含んでいる。このモデルは、運転者が仕事時間と運転距離からの大きな分け前から利益を得ることを可能とすることで、伝統的なタクシーより効率的に能力を利用している。そして、このモデルは、さらに規模を大きくし、輸送プラットフォームを拡げる運転者を取り込んでいる。Uberは、利用者(どこかへ移動したい人々)がモバイルアプリケーションで運転者を予約できるようにする。運転者と乗客双方のためのプラットフォームを作り出すことで、Uberがデジタルビジネスモデルと新しいマインドセットをもたらした。変革は、マインドセットとビジネスモデルの変化で達成し得たものである。
  • 組織は、デジタルビジネストランスフォーメーションプログラムを開始するのに莫大な予算が必要である。―予算がわずかしかない組織であっても、デジタルビジネストランスフォーメーションに資金を出すことができる。膨大な予算が付いたデジタルビジネストランスフォーメーションのプロジェクトが結果的に失敗する一方で、重要部分に小さな投資をつけたビジネストランスフォーメーションのプロジェクトは成功するだけでなく、継続しているという事例が多く示されている。膨大な予算付きの失敗プロジェクトの事例は、2018年の英国放送協会(BBC)である。BBCは、オンデマンドのデジタル世界に向けて完全に準備することを意図したデジタルメディアイニシアチブ(DMI)を取りやめた。プロジェクトは米ドルで1億62百万4千¹の予算がついていた。4
  • 組織の全員がデジタルビジネストランスフォーメーションを理解する。—ビジネスデジタルトランスフォーメーションの理解は事業体のなかで、デジタルビジネストランスフォーメーションプログラムの注目領域、目的および範囲に関し多様であることを経験は明示している。デジタルビジネストランスフォーメーションとそれに取り組む焦点、範囲、目的に関しては、組織内の誰もがわずかに異なる定義を持っている可能性がある。この差異がプログラム失敗の主要な理由の一つになっている。事業体において全員共通の理解を達成するために、この差異を組織のリーダーシップが明確に定義して対処することは重要である。
  • ビジネスリーダーは、自分が知っていることと組織が好結果を出すことに執着する。―ある産業で最強、または最大のプレイヤーであることは、今日のグローバルマーケットプレースではもはや成功を保証しない。「あなたをここに連れてきたものは、あなたをそこに連れて行くことはない」5 ということを銘じておくべきである。組織が快適ゾーン、あるいは成功ゾーンから抜け出して、変革に踏み込むことができない場合、絶え間なく変化する競争世界において、組織は、好機を見失うリスク、時代遅れになるリスクに晒される。破壊の影響を免れる組織はない。モトローラ、コダック、ブラックベリーは、ビジネスリーダーが自分の快適ゾーンから抜け出すのに失敗した組織の実例である。今日、これらの組織で有名となったプロダクトの多くはほとんどぼ完全に廃れてしまっている。

何故、デジタルビジネストランスフォーメーションを始めるのか?

多くのリーダーはデジタルビジネストランスフォーメーションの効果を認識しているが。ー多くの組織は依然としてデジタルビジネストランスフォーメーションに十分には取り掛かれてはいない。いくつかの事業体は戦略的でないデジタル的な変更を行っているが、自分達のデジタルビジネスを戦略的に変革する組織は比較的少数である。

「何故、変革するのか?」という質問は出発点である。多くのビジネスリーダーは、自分の事業体を変革しなければならない理由を知っているが、多くの場合、その方法を知らず、対応もしていない。

デジタルビジネストランスフォーメーションの弱点とトリガーイベント

問題点とトリガーイベントは、デジタルビジネストランスフォーメーションの取り組みを計画するときに組織が注意を払わなければならない事項である。これらの要因は注意深く考慮して対処されない場合、変革の取り組みを失敗に終わらせる可能性がある。:

  • 組織文化―文化は、デジタルビジネストランスフォーメーションの取り組みの導入に成功することは最も困難な課題の一つである。正しい組織文化を形成することは、デジタルビジネストランスフォーメーションの成功にとって重要である。組織文化を変革させることはリーダーシップのマインドセットと整合し、デジタルビジネストランスフォーメーションに至る道のりへと導くことができるまでは生じることができない。
  • 経営層からの抵抗―リーダーシップチームの数名が、組織がなぜ、デジタルビジネストランスフォーメーションの取り組みに取り掛かるという視点を共有できないときがある。この取り組みは脅威と認識される。その結果、CEOは100%の同意が得られるまで、他の重役と緊密に業務をしなければならない。そのときに、リーダーシップは組織内の広範な文化的変革に対処するための準備ができる。
  • 従業員の抵抗(例えば、従業員からの恐れまたは抵抗)―従業員は、デジタルトランスフォーメーションが自分たちの仕事に脅威を及ぼすかもしれないという懐疑と恐れをもって、変革を捉えるかもしれない。多くの場合、従業員は、意識的、あるいは無意識的に変革に抵抗する。また、企業文化は組織の現状を維持するように設計されている。多くの従業員は、過去に失敗したプロジェクトやプログラムを目の当たりにしているので、デジタルビジネストランスフォーメーションの取り組みに懐疑をもって捉えることは驚くにあたらない。これらのすべてが抵抗につながっている。
  • デジタルの取り組みをリードする専門知識の不足―これは、デジタルビジネストランスフォーメーションのスキルセットと能力を有しない人々がデジタルビジネストランスフォーメーションの取り組みをリードするときに発生する。
  • デジタル化戦略の不足―デジタルがビジネス戦略に不可欠でないデジタルの取り組みを開始することで失敗を招く。
  • デジタルビジネストランスフォーメーション戦略とビジネス目標や目的との間の整合性の不足―多くの場合、デジタルビジネストランスフォーメーションの取り組みはその目的が最初から不明瞭であるので、最大限の可能性よりも低いレベルでのデリバリーとなる。デジタルビジネストランスフォーメーションの目的が明瞭に示されても、ビジネス目標や目的と整合していない場合は失敗も確実となる。
  • イノベーティブなビジネス環境の不足―イノベーションは、トランスフォーメーションの土台である。イノベーションと有効なコミュニケーションを可能とし活性化された環境を確保することは極めて重要である。
  • トランスフォーメーションに向けたビジョン、戦略またはロードマップの不足―リーダーは、組織からすべての曖昧さを取り除き、真正なトランスフォーメーションのビジョンを創り出さなければならない。そうしなければ、組織は変化しないままとなる。重役は、全般的なデジタルビジネストランスフォーメーションのビジョンと組織全体の戦略を明確化し伝達する責任をもつ。
  • トランスフォーメーションと変更の間の曖昧さー組織のリーダーシップは、変更が何であるか、変革が何であるかを明確に定義しなければならない。そうしなければ、組織は変革が実際に行っていることは過去を簡単に変更させているのに過ぎないという錯覚にとどまってしまうかもしれない。
  • 顧客との契約での変革への対応とその期待に関する理解の不足―顧客の期待が変化するのに従い、競争相手と組織が差別化できる領域を特定することは重要である。デジタル経済での競争は、顧客の期待や優れた経験を提供できる能力を理解することを基本に、勝敗が決まっている。
  • デジタルビジネストランスフォーメーションのマインドセット不足―真正なデジタルビジネストランスフォーメーションのリーダーシップは、適切なマインドセットを要求する。そして、多くの場合、このマインドセットは、リーダーが自分自身の考え方からシフトして、発展するデジタル経済がもたらす課題を有効に対処することを要求する、

デジタルビジネストランスフォーメーションのドライバーとイネーブラー

逆に言うと、デジタルビジネストランスフォーメーションの取り組みの推進を可能にし、成功を確実にすることを支援できる要因がある。また、組織は、デジタルビジネストランスフォーメーションの取り組みを導入する間に、これらの要因を理解し、考慮しなければならない。

  • イノベーション/イノベーション管理―イノベーション能力が必須である。この能力なくして、変革作業は本当に新しいもの、あるいは影響を与えるものに導くことにつながらない。イノベーションは人間がアイデアを共有し交換する際に生じる。リーダーは正しいイノベーション能力がなければ、デジタルビジネストランスフォーメーションの作業が、新しい技術で同じことを行うような影響を与えない取り組みになるという結果を受け入れなければならない。それはイノベーションでもなければトランスフォーメーシ的でもない。
  • 競争力―デジタル化は、起業家と小規模、中規模、大規模の組織に対して膨大な可能性を提示する。デジタル化は、デジタル経済における好機を十分に生かす事業体にとって競争優位性を提供する。
  • 成長―デジタルビジネストランスフォーメーションは、デジタル経済におけるすべての組織の成長と成功に極めて重要である。
  • 顧客の見識と期待―顧客の期待が高まり、組織がその高められた期待を満足することができなければ、その組織への要求は減少する結果となる。
  • 価値の提案―デジタル化されたより良い価値提案が顧客に提供されている場合、ロイヤリティは新しく提供したものとそれが顧客に提供する価値として好まれる場合は消え失せてしまう。
  • 組織データー組織のパフォーマンスを劇的に変化させるために使用できる大規模な組織データ(内部および外部)の解釈が重要である。 データの収集は難しくないが、多くの組織はデータの解釈に苦労している。 そして、データがうまく解釈されない限り、それはほとんど価値がない。
  • トランスフォーメーション管理―リーダーは、自分たちが組織内で適切な変革管理の遂行能力を確実にもたなければならない。適切な変革管理能力がなければ、変革を成功裏に統合することに困難さが満ちてしまう。

デジタルビジネストランスフォーメーションは多様な形態でやって来ることができるし、すべての組織は固有のニーズと優先順位をもつ。このニーズが何であれ、ビジネスとITにわるステークホルダーが一緒になって何をどのように変革するか決定することを、正しいフレームワークが支援する。このことが、次に組織に一貫性(混沌の反対)をもたらし、何を変革するかを探求するために共通の言語を提供する。組織が何を変革するかを決定する方法について合意を得ることで、すべての人が同じ青写真から作業を進めてプロセスに慣れていく。共通のフレームワークはイノベーションに制限を課さない。その逆に、多くの場合、他の方法では考えられなかった可能性が開くこととなる。

共通のフレームワークを採用することで、人々は自発的な反応から遠ざかり、流行に敏感ではあるが、必ずしも適切ではない。技術と販売のみに焦点を当てたトンネルのビジョンである。 サイロ化された取り組みを奨励し、変革戦略、ロードマップ、および優先事項に沿っていない決定を行う際には、組織が影響を受ける必要はない。

COBIT 2019は、デジタルビジネストランスフォーメーションの適切な対象、目標および方法論に取り組む。

デジタルトランスフォームする方法:COBIT 2019

デジタルビジネストランスフォーメーションに光を照らすと、情報と技術(I&T)は、ビジネスの維持と成長を支えるために重要な役割を果たす。

COBIT は、事業体のI&Tにおける信頼とI&Tからの価値を増加させることを支援するために、グローバルに受容された原則、実践手法、ツールおよびモデルを提示するフレームワークである。

COBITは、ガバナンスとマネジメント目標を明確に区別する。国際標準化機構(ISO)/国際電気標準会議(IEC)の標準であるISO/IEC 38500と整合性をもって、COBIT は、事業体の目標を達成する計画、構築、実施、監視の各活動として、評、監視、管理の各目標の用語を使ってガバナンス目標を提示する。6

COBIT はガイドであり、COBIT を導入するのではなく、情報とテクノロジーソリューションのガバナンスとマネジメントの目的に適したものを開発するために、適用し採用する必要があることを言及するのは良いことである。 技術はデジタルトランスフォーメーションを実現する手段である。

第1ステップ
経営陣、またはトップレベルの幹部が率いるデジタルビジネストランスフォーメーションチーム/委員会を設立する。 変革は組織の基本であり、すべての人に影響を与える可能性があるため、適切な幹部が関与して、誰も取り残されないようにすることが不可欠である。 リーダーシップの考え方を教育し、調整することも重要である。 これは、デジタルビジネストランスフォメーションの内容、理由および方法に焦点を当てた会議やワークショップを介して行われる場合がある。 組織内の全員を教育することは、すべての従業員が変革の必要性とデジタル破壊がもたらすリスクを理解するのに役立つ。 チーム、または委員会は、ビジネスニーズ、推進要因およびリスクを十分に理解している必要がある。 成功にはテクノロジー以上のものが必要であるため、デジタルビジネストランスフォーメーションの取り組みに着手する前に、この理解が必要である。

第2ステップ
事業体の戦略、企業体のゴール、リスク特性、ITの役割、技術採用戦略および事業体規模等の、適用可能なデザインファクターを選択する。

第3ステップ
デジタルトランスフォーメーションやサイバーセキュリティ等の適用可能なフォーカス領域を選択する。

第4ステップ
ゴールカスケードを適用する。ステークホルダーニーズは事業体の実行可能な戦略に変換されなければならない。ゴールカスケードは、事業体目標を整合された目標に対する優先順位に変換することを支援したうえで、次に、優先順位に基づいた適用可能なガバナンスとマネジメントの各目標の選択を助けることになる、

第5ステップ
仕立てられたガバナンスシステムを設計する。

第6ステップ 
step 4で選択したガバナンスとマネジメントの各目標に基づいてガバナンスとマネジメントの各目標に優先順位を付ける。

第7ステップ 
ガバナンスシステムの適用可能なコンポーネントを選択する。

第8ステップ
トランスフォーメーションロードマップを作成する。ロードマップは、すべての優先順位のガバナンスとマネジメントの各目標が確実に適用されるように包括的であることが必要である。いくつかの目標を短縮したり工程を省いたりすると、多くの事業体は、導入と成果がステークホルダーの期待に沿って活かされないことに気づく。

第9ステップ
トランスフォーメーションへの準備を活性化させる。このステップは重要だが、多くの組織は十分に準備せずに戦略から実行にシフトする。デジタルビジネストランスフォメーションの定義を文書化して伝達することで、誰もが一貫性を保ち、誤解のリスクを軽減できるようにする必要がある。

現在のトランスフォーメーションのレベルは、次の準備要因に基づいて評価される必要がある:

  • 組織文化
  • ガバナンス
  • イノベーション能力
  • デジタル能力
  • トランスフォーメーション管理能力
  • 組織構造
  • トランスフォーメーション活動を抑止または阻止するいかなる課題や障壁

マトリックス(能力成熟度レベル)を採用して、各準備係数を成熟度スケールのどこに置く必要があるかを特定し、各準備係数を現在の地点(現在の状態)から必要な地点(将来)に上げるために必要なアクションについて合意し、目標状態の変革の課題に対応する。 ステークホルダーは現実的で野心的である必要はないが、不十分であり、変革を危険にさらす可能性のある成熟度のレベルで済ましてはならない。

第10ステップ
トランスフォーメーションを導入し管理する。これは、ステークホルダーが戦略を導入、または実行し始める地点である。

結論

デジタルトランスフォーメーションの適切な目的、目標および方法に取り組むために次のステップをフォローし、かつCOBIT 2019も活用することで達成される効果はいくつもある。この効果は下記を含む:

  • 戦略ゴールを達成し、ビジネス上の利益を実現する。
  • 技術の有効利用を通してオペレーションを最適化する。
  • ビジネスの意思決定を伝達するために使用できる正確で高品質な情報を維持する。
  • ITサービスと技術の各コストを最適化する。

デジタルトランスフォーメーション戦略の計画は継続的なプロセスである。 成功するためには、適切な機能が必要である。 デジタルトランスフォーメーションには、企業のあらゆる側面(適切なガバナンス、考え方、ビジネスモデル、機能および文化)における基本的な変化が必要である。 組織はデジタル接続されたリスク排除をグローバル市場から排除することに失敗している。

Oluwaseyi Ojo、CRISC、CISM、CGEIT、COBIT認定アセッサー、CEng、CISSP、CSA、SABSA、TOGAF-9

経験豊富なビジネスリーダーであり、ガバナンス、品質、リスク管理、コンプライアンスに重点を置いたセキュリティアーキテクトであり、サイバーセキュリティ管理、ビジネスセキュリティアーキテクチャ、エンタープライズアーキテクチャ、エンタープライズリスク管理、ITガバナンス、プロジェクト管理、ビジネス継続性に深い能力を有しています。 マネジメント、ネットワークセキュリティ、クラウドセキュリティ、ソリューションアーキテクチャ、情報セキュリティとアシュアランス。 2003年以降いくつかの組織で変革イニシアチブを主導しています。連絡先は次の通り。sameoj@gmailcom またはwww.linkedin.com/in/sameoj/.

巻末注

1 Morgan, B.; “40 Stats on Digital Transformation and Customer Experience,” Forbes, 13 May 2019
   Morgan, B:「デジタル・トランスフォーメーションとカスタマー・エクスペリエンスに関する40の統計値」、Forbes、2019年3月13日
2 DeNisco Rayome, A.; “Report: 56% of CEOs Say Digital Transformation Has Increased Profits,” TechRepublic, 24 April 2017
   DeNisco Raymoe, A:「報告:CEOの56%がデジタル・トランスフォーメーションは利益を増加させたと言っている」、TechRepublic、2017年4月24日
3 Llewellyn, R.; “What Is Digital Transformation?” CXO Transform, 1 January 2016.
   Llewellyn, R:「デジタル・トランスフォーメーションとは何か」、CXO Transform、2016年1月1日
4 National Audit Office, British Broadcasting Corporation Digital Media Initiative, United Kingdom, 2014
   National Audit Office、「英国放送協会のデジタル・メディア・イニシアチブ」、英国、2014年
5 Goldsmith, M.; What Got You Here Won't Get You There: How Successful People Become Even More Successful, Writers of the Roundtable Press, USA, 2011
   Goldsmith, M:「あなたをここに連れてきたものは、あなたをそこに連れて行くことはない:成功者がさらに成功する方法」、Writers of the Roundtable Press、米国、2011年
6 ISACA®, COBIT® 2019 Framework: Introduction and Methodology, USA, 2018
   ISACA、「COBIT 2019フレームワーク:序論および方法論」、米国、2018年